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主に事業者から食品衛生上問題のない廃棄予定品を引き受け、ecoeatでの販売、慈善団体/生活困窮者への支援で消費する直接的な食品ロス低減と食品に関する知識を広める為の啓発活動(取材/講演/ecoeat店頭での説明)によって間接的な食品ロス低減活動をしています。

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Loss

経済の発展とともに増加した食品廃棄物。
その中でも「本来食べられるのに廃棄される食品」を食品ロスと呼びます。

イメージしやすいもので言えば

・形が崩れたりした規格外の加工食品
・賞味期限切れ加工食品
・家庭、飲食店での食べ残し

こういったものになります。
日本では一体どれほどの食品ロスがあるのでしょうか。
ここでは省庁の公表資料を参考に学んでいきましょう。

出典:農林水産省:食品ロス及びリサイクルをめぐる情勢<令和4年6⽉時点版>を加工して作成

食品ロスの全体

令和4年6月農林水産省発表の資料によると、
廃棄物処理法における食品廃棄物は

【事業系】:275万トン
【家庭系】:247万トン

と計算されており、合計で
事業者の食品廃棄物(有価物含む)は【1,624万トン】、
全体の食品ロスは【522万トン】
と言われています。

522万トンというとあまりイメージできない重さですね。
キログラムに直すと52億2千万キログラム。
10kgのお米が5億7千2百万袋分の計算です。

これは世界全体援助している食料の量の約2倍に相当するらしく、
一般廃棄物処理費用は年間2兆円にも及ぶそうで、
環境負荷がかかりながらも経済的にも非合理的な現状と言えるでしょう。

history

私たち日本の消費者は、こと食品において世界的に見ても
かなり厳しく品質を求める傾向があります。

それは生食を好んで食べてきた歴史が影響していると言われており
美しい文化であるとともに、自分たちに厳しいルールを課して
食品廃棄物を増やしてしまった側面もあるかと思います。

そのルールのひとつに、
食品流通の世界には、3分の1ルールというものがあります。

3分の1ルールのイメージ

※ 仮に賞味期限6ヶ月の食品の場合
出典:農林水産省:食品ロス削減に向けた加工食品の納品期限の見直しについての通知文書 参考資料を加工して作成

3分の1ルールとは、
製造日から賞味期限までの合計日数の
3分の1を経過した日程までを納品可能な日とし、
3分の2を経過した日程までを販売可能な日(販売期限)とする
商慣習的なルールで、近年はこのルールが
「期限に合理的根拠はなく、食品や資源のムダにつながる」という
理由から見直しが検討され、少しずつ改善に向けて動きがあります。

しかし、こういったルールの見直しは、
「こんなに賞味期限が近い商品を販売しているの?」

といった印象を持たれるのでないか、
とイメージダウンが懸念されるものですから
現実、容易なことではありません。

この懸念の根幹は消費者の期限に対する意識から来るものですから、
やはり私たち消費者が正しい知識を持って「もったいない」「まだ捨てるべきではない」と自ら商品を評価・判断していき、
意識改革をしていくことが食品ロスを減らす一番大きな力となります。

GLOBAL

こうしたもったいない現状がある中、世界の食品ロス事情も踏まえて表にして見てみましょう。

人口
(2016年)
食品廃棄量 ひとりあたりの
食品廃棄量
(対総量:年間)
ひとりあたりの
食品ロス
(対可食部:年間)
食料自給率
(2013年)
(カロリーべース)
食料自給率
(2009年)
(生産額べース)
農産物 輸入額
(2016年:米ドル)
農産物 輸出額
(2016年:米ドル)
総量 可食部(食品ロス)
日本 1億2,657万人 1,700万t 640万t 133.6kg 50kg 38% 65% $517億 $40億
アメリカ 3億2,174万人 5,640万t - 177.5kg - 130% 92% $1,236億 $1,378億
フランス 6,439万人 999万t - 1,327万t 469万t - 602万t 148.7kg - 200.5kg 83kg(推計値の中間) 127% 83% $511億 $602億
ドイツ 8,272万人 1,092万t - 136kg - 95% 70% $848億 $736億
イギリス 6,313万人 1,200万t 900万t 187kg 142kg 63% 58% $534億 $259億
中国 13億8,392万人 1億300万t - 75.74kg - - - $1,013億 $513億
韓国 5,293万人 590万t - 114kg - - - $236億 $58億
参考資料

食品廃棄量は工場や飲食店から出る事業系の廃棄物も含まれますので
「ひとりあたりの」で示すことは少し大げさな表現なようにも思われますが
数値を身近に感じる目的でわかりやすいかと思います。

その中で日本は対人口比で見たとき、
食品廃棄量は世界各国と比較してそれほど多いわけではありません。

ただ、自給率の観点では日本はカロリーベースで38%の自給、つまり62%のカロリーを他国に頼っている中で1,700万tを廃棄しているわけですから、
『世界では栄養不足の方がいるから食品を捨てるな』といった綺麗事を理由にする以前に食べ物に対する姿勢を正すべきと言えます。

農産物の輸出入においては純輸入額が$477億(輸入額$517億 - 輸出額$40億)ですので
経済的にも「もったいない」ことであると言えます。

これらの数値は一家庭における廃棄のみが理由ではなく家庭の食卓・飲食店に並ぶまでの流通(サプライチェーン)において生じる廃棄や
工場生産時のロスも含まれますので個人個人・組織単位でできることに取り組んでいけば減らしていけるものかと思われます。

私たち日本もったいない食品センターは
「食品衛生上問題の無い廃棄食品・または廃棄予定の食品を買取、寄贈を引き受け、
それらの食品を当団体運営のecoeatを通じて販売または福祉施設や慈善団体、生活困窮者に
直接支援することにより食品ロス低減を目指して」活動いたします。

LATEST NEWS

2024年6月21日、農林水産省より令和4年度(2022年度)の食品ロス量が公表されました。
食品ロスは472万t。内、事業系の食品ロスが236万tで家庭系の食品ロス236万tとされています。

2012年度 2013年度 2014年度 2015年度 2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
事業系食品ロス 331万t
(819万t)
330万t
(806万t)
339万t
(839万t)
357万t
(800万t)
352万t
(772万t)
328万t
(752万t)
324万t
(769万t)
309万t
275万t
279万t
236万t
家庭系食品ロス 312万t
(885万t)
302万t
(870万t)
282万t
(822万t)
289万t
(832万t)
291万t
(789万t)
284万t
(783万t)
276万t
(766万t)
261万t
247万t
244万t
(732万t)
236万t
食品ロス合計 642万t
(1,704万t)
632万t
(1,676万t)
621万t
(1,661万t)
646万t
(1,632万t)
643万t
(1,561万t)
612万t
(1,535万t)
600万t
(1,535万t)
570万t
522万t
523万t
472万t
※ ()内は食品廃棄物量の数値。有価物は含まない数値 参考資料

SDGsにおける食品ロスの目標(12.3)はひとり当たりの食糧廃棄を半減させることが目標です。
目標値は2000年度の推計値を基準に485万tまで削減することを目標にしており
2024年6月21日、「初めて達成した」として報道されました。

しかしながら2000年度は食品リサイクル法が制定された年で、食品リサイクル法に基づく定期報告制度が始まっていません。
即ち2000年度の食品ロス量は事業者からの報告を元に推計されたデータではなく予測見積されたデータであることと推測されます。

2012年の推計開始以降、SDGsが採択された2015年の数値から見ますと
削減目標値は323万tであり、2022年時点で174万tの削減が進捗していることとなります。

事業系食品ロスの数値は食品リサイクル法の対象事業者から算出されていますので
それ以外の事業者から出る食品ロス(例:イベントで使用される食品や、一般企業の災害備蓄品など)は含まれておらず、
実態としての数値はさらに大きいと考えられます。
※ 欧米諸外国においても食品ロスの定義そのものや算出方法は異なり、統一基準があるものではありません。
(参考:農林水産省 「海外における食品廃棄物等の発生状況 及び再生利用等実施状況調査)

算出方法についてはこちらをご参照ください。

NPO法人として認可を受けたのはもう少し後ですが、当団体代表理事が食品ロス削減活動を開始したのも2015年であり、
この数値に少しでも貢献できているのあれば、嬉しいことです。

2019年に小売店の運営を始め、当初より賞味期限に対する消費者の意識も変わってきているように思います。
賞味期限やその他理由によって廃棄をご検討の事業者さまは、当団体に一度お声がけください。