主に事業者から食品衛生上問題のない廃棄予定品を引き受け、ecoeatでの販売、慈善団体/生活困窮者への支援で消費する直接的な食品ロス低減と食品に関する知識を広める為の啓発活動(取材/講演/ecoeat店頭での説明)によって間接的な食品ロス低減活動をしています。

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食品ロスを議題にディスカッションする際、かなりの確率でテーマになる話題がこれです。
「食べられる状態のものを捨てる」という行為に対して食への冒涜感を覚え、倫理的な面で批判を受けることの多い食品ロス問題。

しかし、食品の生産・出荷量を増やしたために食品ロスが増加してきた事実もありますので経済的な発展をもたらした一面があることは間違いありません。
さらにその中から食の安全確保のために消費期限、味を保証する賞味期限といった品質保持期限があり、これらの期日を過ぎていない食品は街中で安全に購入することができます。

食品ロスの増加は経済の発展や品質・安全をもたらしてきた側面もあります。

即ち現在の食品ロス量の増加と引き換えに品質面や経済面、安全で恩恵を受けてきているのは
私たち消費者
であり、食品ロス削減はこれに相反する考え方としてナンセンスである
という論があることも多様な意見として聞き入れるべきものだと考えます。

但しこれは問題を大量生産時代の経済発展の視点で考えられており、賛同するものではありません
なぜなら、この考え方の先には以下のような行動が事業者・消費者に求められることになることが理由にあります。

平成28年度、日本の出荷食品と廃棄の数値は以下の通りとなります。

  • ・出荷されている食品は8,088万t(粗食料+加工用)。
  • ・製造品出荷額は38.1兆円(09食料+10飲料)。
  • ・そのうち、食品廃棄物は2,759万t。(廃棄率33%)
  • ・内、食品ロスは643万tです。(ロス率23%)
出典:農林水産省「食品廃棄物等の発生量(平成28年度推計)

出荷された商品全体から7.9%程度の食品が食べられるにも関わらず捨てられている中、
これまでの延長線上で経済発展を目指すのであれば出荷量を増やして出荷額を高める半面、
消費者サイドとしては経済行動をしていかなければなりませんから
これまで以上にドンドン買い、食べ残して食品を捨て、
買い直していく行動が必要
になります。

これは明らかに正しくありません。

食品ロス削減の議論に求められる主要な論点は食品出荷量を増やすことでも減らすことでもありません。

食品出荷量に対する「廃棄率・ロス率の減少」が必要
で、解決には問題の捉え方と視点のバランスが重要です。

大切な視点は「いかに食品出荷量や食品出荷額を減らさずに食品廃棄物や食品ロスを減らせるか」というところにあります。

LOST

食品ロスが増えることで起きる損失を知りましょう。

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ふたつの損失

サプライチェーン各々を担う各企業の売上や商品価値に相当する出荷額の損失の他、廃棄コストがあります。
つまり、仕入れまたは生産コストと廃棄コストのふたつの損失があるわけです。

製造品出荷額38.1兆円の中から重量にして2,759万t廃棄されているわけで、具体的な金額の算出は難しいですが数兆円規模の損金があることが想像できます。さらに廃棄コストも計上されることになります。

食品ロスの廃棄コストは
一人当たり約3,000円/年

環境省が発表している年間のごみ(一般廃棄物)処理費用は各自治体の合計値で約2兆円※ほどです。産業廃棄物に分類されない一般廃棄物は家庭ごみや飲食店、小売店などが含まれます。
この2兆円は事業者が支払っている廃棄料から、足りない分を補った金額で即ち税金ですので国民あたりに均等換算すると15,000円/年ほど負担している計算となります。

食品廃棄物の中から食品ロスが約23%発生していることを考えると「食べられる食品を廃棄するために年間約3,000円ほどお金を支払っている」のではと考えられます。

※ 出典:環境省「一般廃棄物の排出及び処理状況等(令和元年度)について

食品ロス発生割合が減れば

個人の費用負担目線で見ると上記のように計算できますが、各自治体合計額で考えると「食べられる食品を廃棄するために4600億円ほど税金を投入している」とも計算できます。

もちろんゼロにできる費用ではありませんが、単純計算で
食品廃棄物から食品ロス発生割合を23%から15%に削減することができれば1600億円の税金を異なる用途で使えることになりますし、そもそもの食品廃棄物発生割合を33%から20%に削減することができれば一般廃棄物処理費用は2兆円から1.2兆円まで減算できるのでは、とも考えてしまいます。

environment

毎年、世界全体で人の消費向けに生産されている食料の3分の1がロスや廃棄の対象となっていると推定されている。
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世界全体の食料のロス・廃棄量は、一次産品換算では16億トン、食料の可食部に換算すると13億トンにのぼる。これに対し、農産物の総生産量(食用・非食用)は約60億トンである。
土地利用変化に起因する温室効果ガスの排出量を考慮しない場合、生産されたが消費されなかった食料からは、二酸化炭素(CO²)換算で推定33億トン相当の炭素が排出されている。
したがって食料のロス・廃棄は、米国・中国に次いで3番目のCO²排出源に位置づけられる。

※ 出典:FAO「世界の農林水産

年々平均気温が増す中、近年は温暖化を体感できるほど夏の日中気温が高くなっているように感じられます。2015年以降、夏から秋にかけての豪雨災害も毎年のことのように感じられています。

気候変動への対策が注目を浴びる中、食品ロスが環境へ与える影響としてFAO(国連食糧農業機関)は前述のように案内しています。

食品ロスの処理方法は多くの場合が焼却です。
水分を多分に含む食品ゴミの焼却は温室効果ガスの発生原因となります。

食品廃棄物を減らすことがゴミの焼却量を減らし、温室効果ガスの発生抑制につながります。

approach

環境問題へのアプローチとして有名なリデュース・リユース・リサイクルの3Rがあります。
食品ロス問題に当てはめると

リデュース

REDUCE 発生抑制
食品ロスを出さないように
取り組む

リユース

REUSE 再流通
食品を寄付したり、
販売するなど
もう一度流通に乗せる

リサイクル

RECYCLE 再生
肥料化、あるいは
エネルギー回収など資源化

といった行動となります。

一般に言われる3Rの優先順位は以下の通りです。

  • 1. Reduce(リデュース):発生抑制
  • 2. Reuse(リユース):再流通
  • 3. Recycle(リサイクル):再生

この順にコスト・時間・労力の面において合理的で効果的と言われています。
私たちが実施しているのは「2. Reuse(リユース):再流通」です。

廃棄される可能性の高い食品を買い取り、それを生活困窮者の方に配布支援することやecoeatで販売し、消費していただくことで食品ロス削減活動に取り組んでいます。

しかしながら私たちの活動よりももっと合理的で効果的な方法は「1. Reduce(リデュース):発生抑制」つまりそもそも食品ロスを発生させないことで、これが望ましい方法です。

サプライチェーンそれぞれに食品ロスを発生させない取り組みはたくさんあると思います。
私たちも目標達成のために、目指す社会のために食品ロスの発生抑制には
各サプライチェーンの企業様個々と協力して取り組んでいきたいと思っております。

Advisory

当団体は食品流通のサプライチェーンに関わる各企業様と共に食品ロス削減に取り組んでいます。
食品製造業様、食品製造業とお取引する機器メーカー様、システム会社様、包装材や食品用乾燥剤など
消耗品メーカー様などと数多く面談させていただいてまいりました。

具体的なアイデアに至る前段階の食品ロス削減をテーマに新規事業や事業のテコ入れを
検討されている企業様はご相談くださいませ。